『スクービー・ドゥー2 モンスター・パニック』60点(100点満点中)

ドリフ的ギャグに大爆笑

アメリカの国民的人気テレビアニメの実写映画化PART2。主人公である犬、スクービーはよくできた3Dアニメで描かれ合成される。スタッフもキャストもほぼそのままで作られた続編だ。

モンスター退治に活躍するミステリー社の4人(と一匹?)は、いまや全米中で大人気。鳴り物入りでオープンした犯罪学博物館のセレモニーにも得意満面で出席していた。ところがそこに謎の仮面男とモンスターが乱入、ミステリー社の面々はテレビの前でメンツをつぶされる。

アメリカの人気アニメを、アメリカの人気アイドル出演で楽しく作った娯楽映画。ワイヤーワークによるアクションあり、CG多用の見せ場あり、そして有名曲をたくさん使ったサントラありと、大衆の期待にこたえる派手でポップなつくり。ちなみにエンディングテーマは、日本のデュオ、PUFFYが歌っている。映画の中身に比べても違和感がなく、とてもいい感じだ。

ストーリーは、犯人が最後まで二転三転するという、一応(?)ミステリ仕立て。もちろんややこしいものではないので気楽に見ていられる。また、ドリフ的スラップスティックな笑いは、日本人が見ても爆笑必至だ。

なぜメンバーにいるのかわからない大バカな犬と飼い主のコンビがとても楽しい。スクービーの気弱な顔と行動もとってもかわいい。CG犬と人間の競演はまったく違和感がない。飼い主役のマシュー・リラードのオーバーリアクションが、ほとんどアニメキャラの粋に達していることがその要因と思われる。こりゃなかなか大したものである。

前作を見ていなくても恐らくさほど問題なく楽しめるパート2。たまにはこんなお気楽なアクションコメディ映画を見るのも悪くない。大きな期待をして見に行くタイプの作品ではないだけに、思ったより楽しめたという結果になることが多いのではないだろうか。



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