『隣のヒットマンズ 全弾発射』40点(100点満点中)
前作をこよなく愛する人に
人気アクションスターのブルース・ウィリスと、TV『フレンズ』のチャンドラー役で知られるマシュー・ペリー共演の殺し屋コメディ『隣のヒットマン』(2000年)のPART2。主要なキャストを同じくして送る完全なる続編だ。
引退した伝説の殺し屋ジミー(B・ウィリス)は、今ではメキシコで愛する妻の主夫として悠々自適の生活を送っている。ところが恩人である歯科医オズ(M・ペリー)の妻がマフィアに誘拐され、助けを求めてきたことから、再び騒動に巻き込まれてしまう。
平凡な歯科医の隣に凄腕の殺し屋が引っ越してくることで始まる騒動と、まったく住む世界の違う二人のギャップで大いに笑わせた前作から4年、相変わらず楽しそうに役柄を演じる主演二人が印象的だ。
宣伝ではハードなアクションを売りにしているかのような印象を受けるが全くそんなことはなく、二人のキャラクターと奇妙なシチュエーションで笑いを取るタイプのコメディ映画だ。アメリカではこの手の作品はそこそこ人気があるが、それでも本作は評判がイマイチだったと聞く。日本では前作の人気も薄いため、これといったアピールポイントがない本作はなおさら難しかろう。
数十億円の予算をかけた映画だが、緩いムードと日本人にはわかりにくいギャグの連発、申し訳程度に入ったアクションと、なんだか安っぽい印象だ。ストーリーとしてはラストに意外な展開があるものの、全体的に観客をひきつけるパワーに欠ける。前作をこよなく愛するファン以外におすすめはしない。