『バイオハザードII アポカリプス』55点(100点満点中)

見た目はゲームに似てきたが、ホラー映画本来の面白さは減った

日本発の人気ホラーゲームの映画化第二弾。前作同様、人気女優ミラ・ジョヴォヴィッチが映画版のオリジナルヒロインを演じる、スタイリッシュなゾンビ映画だ。(ヒロインその他の衣装など、ビジュアル面には、元モデルであるミラの意見が結構反映されているそうだ……本人談)

アンブレラ社の秘密地下施設からなんとか生還したヒロイン(ミラ・ジョボヴィッチ)だが、地上のラクーンシティは無残に荒らされていた。彼女は、特殊部隊S.T.A.R.Sの伝説的な隊員であり、数少ない生存者であるジル・バレンタインらと街からの脱出を試みるが、出口は核兵器により街を消滅させようと企む政府軍によって固められていた。絶体絶命の彼女たちに、「娘を救出してくれれば脱出法を教える」と、謎の電話がかかってくる。

ミラが半裸で街に立つパート1のラストシーンからこの続編は始まる。ストーリーは前作とスムースにつながっており、違和感のないものだ(もちろん、前作の鑑賞は必須となる)。ただし、映画版オリジナルキャラであるアリス(ミラが演じるヒロイン)が、『バイオハザード2 アポカリプス』においてはあまりにムテキ風味なので物語に緊張感が乏しい。

まあ、その分、生身のヒロインとして、ゲームの1作目と3作目に登場して人気のあるジル・バレンタインを観客の感情移入役として登場させているわけではあるが。彼女のビジュアルはコスチュームも女優さんもゲーム中のキャラクターそっくりで驚かされる。ゲーム版が好きで見にくる人にとっては、ミラが演じるアリスよりは、こちらの方に強い思い入れがあるだろうからちょうどいい。その他、敵キャラクターやちょっとした細部に、ゲームと同じものを登場させており、パート1よりもはるかにゲーム版に近い印象となっている。

しかし、映画として面白いのは前作のほうであろう。2には前作で見せた吸引力抜群の導入部もなければ、ビックリホラーとしての緊迫感も少ない。これは最強の敵ネメシスの、追跡者としての存在感が中盤にパッタリなくなってしまう点も影響している。

謎解きの要素も少ないし、せっかくゲームの要素をたくさん取り込んだのに、むしろ1よりも『バイオハザード』としてのアイデンティティーに欠けている気がするのはどうしたものか。

ミラ・ジョヴォヴィッチは相変わらず脱ぎっぷりがよろしいようで、本作でも微乳ファンを喜ばせてくれるが、アリスのキャラクターとしての魅力は相当薄れた。これなら次回作からはジルを中心に作ったほうがよさそうだ。そうすれば巨乳ファンも取り込める。

『バイオハザードII アポカリプス』は、一本道のストーリーに、適当な間隔ごとにちょっとした見せ場を配置した平坦な作品だ。前作に存在したような魅力的なキャラクターも少ない。娯楽映画としての面白さはそこそこにあるが、満足度はちょい足りないといったところだ。



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