『劇場版 NARUTO−ナルト− 大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!』55点(100点満点中)

若きカカシ先生の登場にファンも満足?!

週刊少年ジャンプに連載中の人気テレビアニメの初めての劇場版。忍者アカデミーを卒業したばかりの主人公と仲間たちの、友情と成長を描く子供アニメ。11分間の短編『木の葉の里の大うん動会』と2本立て上映となる。

最強忍者、カカシ先生のもと、日々修行を続けるナルトたち。今回の任務は人気映画女優の護衛という退屈なもの。だが、ロケ地が「雪の国」だとしった彼女は態度をなぜか豹変させ、なんと撮影現場から逃亡してしまう。彼女と「雪の国」の、隠された深い関係とは……?!(以上は長編『大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!』のストーリー)

初の映画化は忍術戦闘シーンもたくさん、われらがナルト一味(?)が一致協力、映画オリジナルの悪者キャラチームと死闘を演じる心踊るアクションとなっている。

ストーリーも、ラストにきっちり感動シーンを配置して満足度を高め、途中では本作のテーマである「あきらめなければ必ず希望はやってくる」という教育的に大変よろしい主張を繰り返して、大人も安心してわが子に見せられるものになっている。

原作を知らない大人にはわからないだろうが、(映画版では説明のない)物語の設定を知っていればなおさら楽しめる点もあり、ファンの子供たちならきっと満足できるだろう。←取材先:甥(小学生)

まあ、大人の目から見れば、少々ナルトくんが簡単に危機を脱しすぎる点と、オリジナルキャラの姫様にあまり魅力がない点、声優としてのホンジャマカ石塚の演技が気にはなるが、人気ナンバー1キャラのカカシ先生(さらに人気がある若い頃のカカシ先生も登場)はカッコいいし、ストーリー展開もスムースなので退屈することもなく見れるだろう。

同時上映の『木の葉の里の大うん動会』は、ドタバタギャグ一本やりのお笑い版で、これもまた楽しい。2本立てというのは、たとえ11分の短編であろうとなんだか得をした気分で嬉しいものだ。子供たちにとっては、きっと大きなお楽しみであろう『劇場版NARUTO』を、このお盆休みに一緒に楽しんでみるのも良いだろう。



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