『トスカーナの休日』60点(100点満点中)
トスカーナの魅力をたっぷり味わえる観光ガイド的映画
傷ついた30代のヒロインが、本当の生き方と真の家族を異国で見つけるまでを感動的に描いた人間ドラマ。離婚のショックから立ち直るための傷心旅行で、イタリアのトスカーナ地方に出かけたヒロインは、築300年の荒れ果てた家と美しい風景に魅了され、突然移住を決意する。
イタリアのトスカーナは、その絶景と味わいのある街並み、そして料理の美味しさから、世界でもっとも魅力的な場所のひとつとされる。この町の魅力をふんだんに紹介しながら、希望に満ちたストーリーが展開する。
旅行ガイド的な魅力と、シングル女性を肯定するストーリーは、自立心の高い行動的な女性から共感を得ること間違いない。劇中のヒロインは、実は外国で家を買った以外にたいした決断はしていないのだが、それでも人生は確実に前に進み、よい事もおきる。「今は苦しくとも、必ずいいことがあるよ」というメッセージが優しく、とくに傷ついている人々にとってはありがたい。
ヒロインを演じるのはダイアン・レイン。顔立ちが派手過ぎず、「感じのいい女性」といった雰囲気から日本でも男女問わず人気がある女優だ。はじめての単独主演映画である本作は、そんな彼女にぴったりな役柄だ。
イタリア料理が好きな方、旅行してみたいが事情があって行けない方、ちょっと傷心な女性の皆さんに、私は『トスカーナの休日』をおすすめしたい。