『スターシップ・トゥルーパーズ2 ヒーロー・オブ・ザ・フェデレーション』70点(100点満点中)

低予算ながら大健闘

7年前に人気を博したSFアクション映画の続編。といってもこれ、アメリカではビデオ・DVD用として低予算で作られた作品。日本では前作の人気が高いので、劇場公開されるというものだ。

テレビモニターで見ることを前提に作ってあるから画面はスタンダード・サイズだし、大作だったPART1と比べるとみるからに超低予算だ。製作側によると、「低予算だが個性的な1と、超大作アクションである2を持つ『エイリアン』シリーズの逆をやってやろうと思った」そうだ。

内容は、辺境の惑星で孤立した部隊が徐々に敵の昆虫型生物に追い詰められてゆくというもので、戦闘シーンが連続する激しいアクションが売りとなっている。よって、ドンパチが大好きな人に向くだろう。同時に、部隊内部に裏切りものの存在が示唆され、サスペンスとしての魅力もある。きれいなお姉さんの、よく生理食塩水パックで形が整えられた美乳サービスもある。

低予算ながらVFXを多用した画面には安っぽさを感じない。背景がつぶれるほど真っ暗にしたり、最低限のセットで撮影するなど、金がないなりに工夫しているのがわかる。

テーマは反戦と現代文明批判の色濃いもので、特にラスト1分間の意外な展開にはびっくり。ここで伝えようとするメッセージは強烈で、これは本当に面白かった。

『エイリアン』のような生き残り型ホラーとしてみても、SF戦争映画としてみても二重丸。つまらない部分はまったくなし。キャラクターも非常に立っている。

「大ヒットはしなくてもWEBで熱く語られる作品にはなるはず」という作り手側の言葉がぴったりくるような、ファンの心をつかむPART2だ。『スターシップ・トゥルーパーズ』を気に入った人にぜひすすめたい。



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