『カレンダー・ガールズ』75点(100点満点中)
熟女たちの挑戦がさわやかで若々しい
婦人会の熟女たちが、チャリティーのためヌードカレンダーを企画したというイギリスの実話を映画化した、笑えて泣けるコメディドラマ。1999年に実際に発売されたこのカレンダーは、なんと30万部も売れたという。彼女たちは、この57万ポンドの売上金で、白血病の治療施設とソファを病院に寄付した。
平凡な生活に飽きつつあった一人の主婦の突飛な提案に揺れる保守的な(はずの)婦人会のオバサマたち。彼女らが大きな冒険を決意するまでの心の変化を、映画は優しい視点で描く。彼女たちの姿はとても若々しく、その年齢にかかわらず“女”を感じさせる。女性のもつ強さ、繊細さ、そして美しさをリアルに描いており、とても好感が持てる。
50を過ぎたオバサマたちが、ついに決心してブラをはずすあたりは、コメディなんだかホラーなんだかわからないほどの衝撃があるが、胸やお尻はギリギリ見えない親切なカメラ構図(?)のおかげで、ヌードカレンダーを題材にしているのに下品な印象はゼロ。むしろ、品のいい映画といったイメージさえある。
登場する女性たちの明るくポジティブな姿からは、女性も男性も元気をもらえる。最初は、母親みたいなお歳のおばちゃん達がヌードになる映画だなんて聞いて、年上好みの私もさすがに「ゲッ」と思ったが、見てみれば案外いけるではないか。上質なウーマンコメディを見たい方は、安心してお出かけのほどを。