『ヒューマン・キャッチャー/Jeepers Creepers2』50点(100点満点中)
ごく普通のティーン向けホラー
ホラー映画『ジーパーズ・クリーパーズ』の続編。監督や製作等のメインスタッフは共通、前作の4日後という設定のPART2だが、基本的には前作を見ていなくても楽しめるようには作られている。そのため邦題も、観客の間口を狭めぬよう、あえて続編とはわからぬようにしている模様だ。
高校生を乗せたスクールバスが、空飛ぶ恐ろしい怪物“クリーパー”の徘徊する辺鄙な土地の路上で立ち往生する。やがて、わけもわからぬうちに、一人、また一人と犠牲になってゆく。誰もがフツーに怖がることのできる身近な設定が面白い。
上空を飛び回り、闇夜からアタックしてくるクリーパーの恐怖を、優れたサウンドデザインによって倍増させている。怪物の羽音がブンブンとあちこち動きまわるので、観客も登場人物同様、バスに閉じ込められている気分になる。個人的には、こういう趣向をもっとつきつめてやってほしいと思う。
早い段階から敵の正体が観客の前に明らかになり、それに対抗するヒーローも現れる。後半はまるでゲーム感覚の、怪物狩りの趣向がなかなか楽しい。B級っぽさがプンプン漂い、この手の馬鹿っぽいホラーを好きな方も楽しめよう。
撮影場所はバスの中とどこかの田舎だけだし、俳優はほとんど無名だしで、大して金はかかっていないだろうが、そこそこ怖がらせてくれて、クライマックスには爽快感も味わえる。なかなかリーズナブルな一品といえるのではなかろうか。ティーン向けホラーとしては、平均的な満足度といえるだろう。