『スキャンダル』65点(100点満点中)
ヨン様の鬼畜なプレーボーイぶりを楽しもう
『冬のソナタ』で人気沸騰中の韓国人俳優、ペ・ヨンジュンの初主演映画。18世紀の王朝時代を舞台にした恋愛模様が描かれる。お目当てのヨン様は『冬ソナ』の微笑み貴公子からイメージ一新、メガネをはずし、野性味あるひげ面で、日本で言う光源氏のような究極のプレーボーイを演じている。
ストーリーは、まあよくある話で(原作は世界中で何度も映画化されている)、主人公のプレーボーイ氏がゲームとして“落とし”たはずの“超お堅い娘”さんに、マジ惚れしてしまうというもの。その過程では、女性ファンびっくりの主人公の好色ぶりが描かれる。
その様子は時に冷酷で、女性からみればまるで鬼畜。こんな役を初の主演映画に選んだ彼のセンスには感心する。かなり気に入った役らしく、役作りもがんばったそうだ。その甲斐あってか、スクリーンでの存在感も十分に感じさせる。
『スキャンダル』は、そんなペ・ヨンジュンを立てるために作られたような映画で、そういう意味ではアイドル映画と同じ構造といってもいいくらいだ。ただ、これがなかなかバカにできない面白さで、とくに主人公が語り、実践する“プレーボーイ道”を見ていると、男の私としても興味が尽きない。
人気の若手俳優ながらも濡れ場は直接的で、他人の婚約者(16歳)やら人妻さんやらと、全裸で絡むセクシーな姿を隠すことなく見せている。このへん、実に思い切りがよい。ヨン様の腰の動きは、妙にプロっぽくて思わず笑える。さすがはナンパ師の役だけはある。これは誰かの演技指導のたまものか、それとも……?
『スキャンダル』は、ヨン様ファンの女性や、韓国映画のファンの方、そしてプレーボーイを目指す若い男の子たち(?)にオススメしたい恋愛時代劇だ。絢爛な美術セットやきれいな女優さんたちの衣装も大きな見所。なかなか悪くない出来なので、ぜひお試しのほどを。