『ドーン・オブ・ザ・デッド』70点(100点満点中)
誰もが楽しめるホラー映画の王道
70年代ホラーの名作『ゾンビ』のリメイク作品。ノロノロ歩く古典的なゾンビと違って、『ドーン・オブ・ザ・デッド』に出てくる奴らはスピードも速いので恐怖も倍増。その他にも随所に現代的なアレンジが施されている。もともとの骨格がよいから、いまどきのホラー映画としても十分に通用する作品になったといえる。また、オリジナルを知らない人々が見ても、普通に面白いゾンビ映画となっている。
特に秀逸なのは、最初に寝室でゾンビに遭遇したヒロインが、自分の家から逃げ出したときのシーン。観客に作品の世界観を理解させると同時に、軽いパニックに引き込むという、この場面のショック効果は絶大だ。
何が何やらわからないまま、ショッピングモールに立てこもることになる主人公たち。ショッピングモールの商品を自由に使える有利があるとはいえ、いったいどうやって事態を打開するのか。
孤立するショッピングモール、傷つけられると自分もゾンビになる、頭部を破壊すれば殺せる、そんな数々のおなじみの設定を存分に生かしたストーリーも面白い。登場人物の性格設定もわかりやすく、誰が見ても混乱することなく共通の恐怖(?)を味わえるだろう。
CG等の特殊効果や多数のエキストラで見た目にも大きくパワーアップした新『ゾンビ』は、万人におすすめできる安定した出来映えだ。オリジナルとは結末が少々異なるが、それもまた一興。ホラー映画が苦手な人以外には、ぜひ楽しんできてほしいと思う。