『ビッグ・フィッシュ』70点(100点満点中)

美しい映像と感動のラスト

ダニエル・ウォレスのベストセラー小説の映画化。父の真実の姿を息子が理解するまでを描く感動ドラマ。

父親は、自分の過去をまるで冒険小説のように演出して語る性格の持ち主。子供のころはそんな荒唐無稽な作り話に夢中になった息子も、やがて大人になると、「真実」を教えてくれない父を毛嫌うようになる。そんな息子が、父の病気が悪化したと聞き、父を理解する最後のチャンスに賭けるというストーリー。

映画は、父親の語る過去の冒険談の部分と、現実の部分が交互に展開される構成。父親の冒険談のほうはソフトフォーカスやカラフルなセットが使用され、ファンタジックな映像美で描かれる。

この、父親の作り話の部分がなかなかに面白く、まさに「付き合う価値のあるホラ話」といった感じ。そして、それを素直に楽しんでいると最後に意外なラストが待っており、感動の涙を誘うといった内容だ。

役者は個性派揃いで、彼らの演技も大きな見ごたえがあるし、映像の美しさもすばらしい。少々ラストに不満は残るが、これは個人的な好みの問題。一般的には、誰が見ても十分に楽しめる内容といえるだろう。



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