『ミッシング』40点(100点満点中)
オカルトめいた展開についていける方のみか
舞台は1885年の西部、シングルマザーのヒロインが、インディアンに帰化した父の助けを得て、娘をさらった悪の部族を追うという追跡劇。ヒロインを助ける父親は、インディアンの知識と技術を身につけているので、誘拐グループ(?)たちを追跡することが出来る。この役を演じるのがトミー・リー・ジョーンズ。この役者は、何者かを追いかける役ばかりやっているが、ここまで重なると、わざと選んでるんじゃないかと思わず苦笑したくなる。
しかも、今回の「追跡者」はなんとも頼りなく、ヨボヨボの体はいかにも弱そう。案の定、ボコボコにされたときには、さすがに複雑な心境になった。徐々にオカルト色が強くなる後半、物理法則を無視して危機をのりこえるおバカな展開を見ていると、ヒロインの演技派ケイト・ブランシェットの熱演が気の毒になってくる。
父娘の和解だの親子愛だのといったドラマも、リアリティの薄い展開のせいで崩壊目前。お話も、誰もが想像するとおりに展開し、そのまま終わるというもの。こういう映画は、宣伝する側はさぞ苦しいだろう。私としてもいったい誰にオススメすれば良いものか、迷ってしまう。