『スクール・オブ・ロック』70点(100点満点中)
洋楽ロック大好きな方に
破天荒なロックギタリストが、滞納した家賃を返すため、教員を装って名門小学校のクラスを受け持つというコメディ。厳格な校風のなかで、子供らしい自由な姿を失っている生徒たちに、どこからどうみても“良い大人”ではないロックミュージシャンが“ロックの魂”を教え込む。最初は戸惑う子供たちも、やがて“自由”の意味を学び、主人公とともに成長して行く。
これもまたありがちなパターンの映画ではあるが、まとまりは良い。何より主人公である中年ギタリスト(ジャック・ブラック)の個性が強烈。何度も披露するギターを含めとても芸達者だし、多大なインパクトを観客に残すに違いない。そして、その相手役たる“子供たち”もまた個性豊か。これら登場人物のキャラクターがはっきりしている分、字幕を必死に追わなくともとてもわかりやすい。
劇中で行われる授業には、“ロックの歴史”や“バンド相関図”など、洋楽ロック好きならたまらない趣向が満載。最初はただのニセ教師だった彼が、そんな授業をやっているうちに、マトモな先生の顔になっていくあたりが楽しい。
子供たちは、彼が伝えるロックの精神から「反抗」を覚えるのではなく、バンドとしての協調性と互いの個性を理解することを学ぶ。じつに健全で、これなら学校でも見せられる(?)かもしれない。大人から子供まで、幅広く楽しめる内容といえよう。
劇中で使用される楽曲もいけるし、ちょっぴり感動的な結末も決まっている。なるべくなら、ロック大好きな方におすすめしたい一品だが、そうでない方が見ても普通に面白い映画だと私は思う。