『バレットモンク』70点(100点満点中)

コピーを読んで吹き出した

妙に動きのいい僧侶が活躍するアクション映画。この映画の宣伝コピーが笑える。『そこの坊主 まるで弾丸』とは、まさにいい得て妙。言葉自体のインパクトにも、深く感心する。何しろ大スターのチョウ・ユンファにたいして、「そこの坊主」扱いである。テレビでこの予告編(とコピー)が流れるたびに、笑いが止まらない。

邦題は『バレットモンク』だから、「まるで弾丸」というのはぴったりだが、原題を直訳すれば『防弾坊主』。こちらも実は、この映画の主人公にピッタリだ。

映画は、オープニングのアクションからして爆笑。ワイヤーワークという技術は、使えば使うほどお笑いに近づいていくものと私は認識しているが、本作はまさに使いすぎもいいところ。CGでワイヤーを消してはいても、客の目には間違いなくその存在が丸見えという、重力無視のふわふわアクションが展開される。

マジメ話でこんなアホなワイヤーアクションが出てくれば苦笑ものだが、『バレットモンク』はお話の方も超がつくオバカ路線なので、この「やりすぎ感」がバッチリとはまる。

家族並の重要人物が殺されても、上映時間の都合のためか、15秒で悲しみから立ち直ったり、あっという間に弟子がジェダイパワーを習得したりする。

また、秘密を握る人物の口を割らせるという、映画的には重要なステップを踏むべきところで、突然脳内情報を自由にスキャンできる装置などという、異様に都合のよいアイテムが登場。その過程を大胆に省くなど、せっかちな人にも親切なつくりとなっている。

アクションはスピード感あるもので、それを見せるために作られた本作のような映画にとっても十分合格点。手足の長い美女二人が動き回るところなど、大変目によろしい。

これほどのアクションの数々を、大爆笑のストーリー展開でみせてくれる『バレットモンク』は、ぜひ早めに劇場で見ることをすすめる。そうすれば、テレビ予告などでみれる「そこの坊主 まるで弾丸」が、いかに笑える見事なコピーであるかがわかるというものだ。



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