『ミッション・クレオパトラ』60点(100点満点中)

フランス製おばか映画

美人巨乳女優として定評のあるモニカ・ベルッチがクレオパトラに扮した、フランスのコメディ大作。シーザーの鼻をあかすため、わずか3ヶ月で豪華宮殿を造ると豪語した彼女の命令で、あわれ無理なミッションを押し付けられたエジプト人の建築家を中心に話は進行する。

砂漠に立てられた数々のセットや、膨大なエキストラ、CGの多用など、フランス映画にしてはかなりの製作費をかけた作品だが、スター女優の起用もあって、本国では無事に大ヒットを記録した。

中身はいわゆるおバカ映画で、CGの使い方も本当に馬鹿らしくて涙が出てくるほど。ギャグも、ウィットに富んだお洒落なジョークなんてものの対極にある、くだらないチープな笑いだ。無駄に豪華なセットとの対比が笑える。

しかしモニカ・ベルッチという女優さんも、今年の前半には『アレックス』という、これ以上ないほどの衝撃的な作品でレイプシーンを演じたかと思うと、ファンタジー系の作品である『マトリックス』の2と3でのミステリアスな美女役、さらに先日は『ティアーズ・オブ・ザ・サン』という米軍バンザイ映画のヒロインと、なかなか手広く活躍している。どの映画にもろくに芝居をする場面がないので、演技力があるのかないのか判断がつかないが、その美貌は間違いなく一級品。

ただ『ミッション・クレオパトラ』には、大きなお目当てであるはずの彼女の出番は意外と少ない。半分お尻が見えてるセクシー衣装のモニカさんの、わがまま王女っぷりはなかなかそそるものがあるので、これは残念。



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