『阿修羅のごとく』30点(100点満点中)

テレビドラマ向きの素材だ

22年前、航空機の事故でなくなった向田邦子原作のドラマ。この原作は、79年にテレビドラマとして放映されたことがある。

4姉妹という、微妙に年代がずれた女性たち。彼女たちは、時と相手により全く違った顔を見せる。この、女性の本質を描いたと評判の話をもって、(当時の)女性達の共感を得た作品である。

しかし、20年前ならいざしらず、同じ話を見て、現代の女性達はどう思うのであろう。普遍的なテーマとはいうが、どうも色あせてはいないか。私は、上記のような予備知識が無く、純粋な新作だとしてこれを見せられたら、、「ずいぶん古臭い内容だな」と感じたと思う。

4人の女性の中では深田恭子だけ、演技力の点で大きく見劣りがする。まあ、残りの3人の顔ぶれを見れば、やむをえない所かもしれないが。

いずれにせよ、これは2時間15分も映画館で座って見るには少々厳しい内容だ。やはり、映画よりテレビドラマ向きの素材だと実感する。



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