『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』40点(100点満点中)

アメリカで大きな話題になった異色なラブストーリー

アメリカで、社会現象にまでなったラブストーリー。どういう事かというとこの映画、わずか500万ドルという(アメリカ映画にしては)低予算で作って、その数10倍の興行成績を上げたのだ。アメリカのインディペンデント映画史上、最大のヒットとなったお化け作品である。

本作は、超保守的な家庭に育ったギリシャ系のヒロインが、まったく世界の違う白人男性と恋をする事による、文化ギャップのコメディと、その障害を乗り越えて行くラブロマンスの要素を併せ持つ。

このへんは、多人種国家であるアメリカなら、いかにもウケそうな部分であるが、逆に言えば、ごく普通の日本人が見てもあまりピンとこない部分でもある。

ただ、日本人でも、国際結婚で苦労した経験があったり、もしくはややこしい嫁姑関係に悩んでいるような人々には、この映画のカップルの苦労が実感出来るかもしれない。そうした人々には、本作を楽しむ”素質”がある。

『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』は、主演のニア・ヴァルダロスが実体験をもとに脚本を書いて作った映画。つまり、彼女のサクセス・ストーリーそのものでもあるのだ。

どうみても、ネクラなオバサンにしかみえなかった冒頭の彼女が、恋をした途端、まるで高校デビューしたオタク少女ばりに大きくルックスの変化を遂げる場面も見所である。それでも、50代くらいに見える彼女が、30歳の役をやるのは大きな無理があるが、そのへんは想像力で補完してみてあげるのが優しさと言うものだ。



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