『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』30点(100点満点中)

映像だけ豪華な、ファン専用2時間テレビスペシャル

織田裕二主演の人気刑事ドラマの映画化PART2。

私は、残念ながらTV放映中にすべての回を見ていたファンでは無いので、このシリーズの事については素人である。そういう人間の意見だという事を最初に記しておきたい。シリーズの熱烈なファンの方は、参考程度に流していただいたほうがいいだろう。

本作は、スタッフ総勢300人、キャスト、エキストラまで、ほとんどすべてを前作・TVシリーズと同じにしたというこだわりで作られた。お台場でのロケによる映像は、ところどころ、さすがは映画と言いたくなるような迫力の映像で、さぞ前作は儲かったのだろうと思わせる金のかけ方である。低予算じゃ使えない機材をたくさん使っているので、邦画にしてはめずらしい構図の映像をたくさん見ることが出来る。

これだけお金をかけたなら、もう少し面白いストーリーで作ってくれれば、シリーズのファン以外にもオススメ出来るのだが。所々、いいセリフや光る場面があるだけに残念だ。

それにしても、あまりに庶民に媚びているようなこの脚本も、逆に私のような本物の庶民には、あざとすぎて泣きにくい。このドラマの特徴である、「現場で苦労している奴が一番立派なんだ」的なテーマは、大衆にウケがいいというのはわかるのだが、なんだかここまで露骨にやられると、これを喜んでいるのは、むしろ"現場"以外の方じゃないのかな、という気がする。

なお、アクションシーンは、弾着の角度があまりにヘンだったりなど、突っ込みどころが多く、うるさい男性諸氏には気になるところ。ちなみに試写会場では、感動ですすり泣いている方がたくさんいた。きっと、熱心なファンの方に違いない。ほとんど女性だけだったが。



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