『花と蛇』30点(100点満点中)

裸とSMだけを見る映画

杉本彩主演のSM陵辱ドラマ。SMのバイブルとも評される団鬼六の有名な原作は、以前に何度か(5回だったか?)映画化されている。その中でも、本作はもっとも過激だと評判らしい。

私は過去の作品すべてを見たわけではなく、原作も知らないので比較はできないが、それにしても杉本彩版『花と蛇』の過激さは類を見ない。劇中では、数々のSM技が紹介(?)されるが、そのすべてを体当たりで実際に演じている彼女の覚悟と勇気には頭が下がる。

ちなみに杉本彩が服を着ているのは最初の10分程度、あとはすべて全裸だ。縛られ、つるされ、輪姦レイプされ、頭を水に突っ込まれ、さらにさらに過激な世界へとSMプレイが際限なくエスカレートして行く。

『花と蛇』にはこれら数々のSM技と、杉本彩のヌード、そしてダンス以外は何もない。ストーリーは、感情移入など不可能なほどにアホくさいから、かえって数々の陵辱シーンに気分を害することはない。

それにしても、杉本彩は以前ヘアヌード写真集を出したころより、30代に突入した今のほうがはるかにプロポーションがよくなっている。ビルダー的視点から見ると、彼女はダンスを趣味にしてから大殿筋が鍛えられたと見え、お尻のラインが上向きに改善されている。恐らくウェイトトレーニングもそこそこ積んでいるのだろう。また、ダンスをやる女性特有の切れのいい三角筋が、セクシーですっきりした肩部の魅力をかもし出している。柔軟性も向上しているから、どんなポーズを取っても奇麗に見える。

カメラは毛穴が見えるほどに肉薄し、映画としては珍しい事に、よく整えられたヘアまで見せる。こんな奇麗な人の、しかもやたらと股間のアップが多い映画だから、男性は大喜びであろう。少々過激過ぎるから、うぶなカップルにはすすめられないほどだ。

劇中でも披露している趣味のアルゼンチンタンゴは、もっともラテン系に近いダンスといわれ、競技ダンスのコンチネンタルタンゴの世界でも、最近はその技を取り入れるのが流行しているという。私もソシアルからジャズ、ヒップポップまでダンスは一通りかじったが、その目で見ても彼女はセミプロ級の見事な腕前だから見ごたえがある。

SMに興味がある人、原作のファン、杉本彩のファンなら、そこそこに楽しめるだろうが、何しろエロ場面しか見るべき点がないので、興味のない人にとってはどうしようもない。映画としても、裸以外の話題で後世に語り継がれることはないだろう。



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